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高島市長へ愛の告知

第14回 有馬裕之氏からの提言『都市づくりに必要な感性』(3)
高島市長へ愛の告知
2011年9月30日 13:52

<シリーズ第24回>

<三つのキーワード>

 私も様々な海外の都市を見てまわりましたが、都市機能についての3つのキーワードがあります。まず、ひとつ目は「コミュニケーション」。私から見ると福岡市が地域と地域、と人と人を結ぶことに対してのなんらかの策を考えているのか疑問です。ひとつの例を取ると今、福岡市において若者の街は点在するけれど、果たして老人が集まる場所のイメージが湧きますか。コミュニケーションが民間レベルであるのか。24時間テレビをみたいにやれとは言わないけれどコミュニケーションの問題をどうしているのか。

 ふたつ目は「パラレルリアリティ」。平行して存在する現実とか言われます。私が勝手に解釈しますと、老人と若者とは嗜好が違うし、好きなジャンルも異なる。だけど、同時存在していなければならないし、いてほしい状況をつくらなければならない。生活空間をお互いにどうやって共有していくのか。老人から若者そして子供までのそれぞれがその生活や活動の場として創造性豊かに並列(パラレル)的に展開する場が都市のなかに必要と感じるのだ。それが福岡市から聞こえてこない。

福岡氏の景観 最後はイメージアビリティ。都市の景観やデザインを考える上では、人々がどのようにして都市をイメージしているか知る必要がある。たとえば福岡の祭りでは山笠が有名だが、果たして福岡を代表する祭りとしてPRし、そのイメージができているのか。また、山笠に携わっているひとが喜ぶような街つくりのイメージをもっているのか。福岡市はピンポイントでのイメージアビリティしかやっていないので全体像が見えない。これは福岡市だけでなく、日本の都市全部の言えることだが、官民一体となった都市空間への取組みが限定的にあると言えよう。

 海外の都市の景観に関してやデザインを手掛け、広い目線で捉える有馬氏ならではの提言。福岡市も戦略的、機能的な都市計画が問われる。高島市長には、現状を分析しつつ都市のあり方を再認識して欲しい。

(つづく)

【道山 憲一】

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